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高校1年・・4

2009/05/31 (Sun) - ぼくらの青春時代


「今年はちょっと自身あるんだって!!・・・・えー!!亮くん
そんなに変わってないでしょ!?」

「・・さっきからたーとぅ話しはるんだ?」

ひたすら携帯で電話をしている千石を、半ばあきれた様子で
見ていた平古場が疑問の声をあげた。

「亜久津と千石の共通の友達らしいけど、よくわかんねぇ。」

一緒にいた福士は苦笑して言った。

かれこれ30分は電話をしているが、終わる気配はまだない。

きっと彼は亜久津と2人でいるときも、気にせず電話をする
のだろう。
気遣いなんてできるやつに見えない、と2人は思っていた。

今は健康診断の真っ最中。
保健室の前で列になって待っているが、他の生徒は割合静か
だ。
先生がこいつの電話を怒ってくれるのを、密かに平古場は期待
していた。

「ん?今から測るの?・・・うん、わかった。じゃあ、また後でね~。」

ピッ。

やっと千石の電話が終わった。

千石が笑顔のまま2人を見ると、なぜか平古場が拗ねたような
表情で見つめていた。

「え?オレなんかした?」

平古場はフイッと視線を外した。

千石は不機嫌な平古場に困ってしまったが、それを見ていた福士が
ハハッと苦笑いをしたので、余計千石はわけがわからなくなってしま
った。



「わん、なま年やかんなじ伸びた。」

単純なもので、自分の番が来るころにはすっかり機嫌は直っていた。

やっと身長が計れるのが嬉しいのか、平古場はなぜか準備体操をし
て順番を待っていた。

「え~、凛くんは伸びてなくていいよ~。」

元々、身長が低くて気にしていた千石にとっては、これ以上自分より
でかい人が増えてほしくなかった。

「キヨスミんかい言われたくねーらんね。わんより小さいくせに。」

「今年は絶対!!!凛くんより伸びたからね!!」

千石は日々、身長が伸びるように努力(?)をしてきたので、妙な自信
で溢れていた。

そんな2人を見て、どっちも馬鹿だな、とわかりきったことを思いながら
も福士は何も言わなかった。


隣で5ミリ伸びたと騒ぐ千石が煩い。
他の生徒がこっちを見ながらヒソヒソと話をしているが、できる限り気に
しないように福士は勤めた。

しばらくして平古場が保健室から出てきた。

「どうだった?」

若干うきうきとしながら千石が尋ねるが、平古場は下を向いたままで
何も言ってこなかった。
そして黙って健康診断書を二人の前に突き出してきた。
それを見て二人同時にあっと声を上げるのだった。



放課後。
部室(あくまで仮。空いてる部屋を深津が無断で使用)の扉を開けた
亜久津の肩がビクッと揺れた。
後ろにいた穂波は珍しいものを見たと思いつつ、亜久津の肩越しに部
室を覗いた。
そこには膝を抱えたまま床に倒れている平古場の姿と、まるでこの空
間に平古場がいないかのように椅子に座って談笑している福士と千石
の姿があった。

「もう・・ほっといてくれ・・」

囁くように言い放った言葉に生気は感じられなかった。

「身長が縮んでたんだってさ。」

平古場のほうを全く見ずに福士が言った。
きっとずっと平古場はこんな状態だったのだろう。

「身長伸びてたら見せないほうがいいよ。クラスで身長伸びてたやつ
に背後霊のように付きまとって何か囁いてたから。」

ニコニコしながら話す千石の言葉を聞きながら、亜久津はそっと健康
診断書をカバンに隠した。




たぶんミチルさんは175センチくらい。
穂波は182ぐらいはあるかと。

ミチルさんもそろそろ亜久津くんに慣れてきたみたいです。
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