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高校1年・・5

2009/05/31 (Sun) - ぼくらの青春時代


「じゃんけんとあみだくじ、どっちがいい?」

何かのポスターを抱えたまま部室に入ってきた深津の問いかけに
部員は反応に遅れた。

「あみだくじ」

窓辺で亜久津と仲良く一服していた千石が、特になにも考えずに
こたえた。
すると深津は机の上においてあるノートに徐に線を書き出した。

「どうぞ」

そばにいた平古場から順に選んでいく。

「ところでこれ、何選んでるんですか?」

福士がかなり真剣に悩んでいる横で、適当に場所を決め終わった
穂波が尋ねた。

「ん?部長」

深津は別のプリントに何かを記入しながら軽い感じでこたえた。
深津が軽い感じでこたえたせいか、皆ふーん。とあまり興味の
ない感じでこたえたが、次の瞬間、言われたことを理解したのか
穂波以外の四人が呼吸もぴったりに深津のほうを振り返った。

「ぶ、ぶぶ部長!!!」

福士がすっとんきょうな声をあげる。
そしてもう一度選ばせてくれ、と次に選んでいた亜久津と一緒に考
えだした。

このメンバーで部長を務めなくてはいけなくなったら、きっとかなり
苦労すると思ったのだろう。

「じゃあやっと、部活として認められたんやんやー。」

「まあね。ちょっとお願いしたら簡単に申請できたよ。」

明るい口調で話す深津だが、絶対何かしただろう・・と若干の恐怖
を亜久津は感じた。

最後の千石まであみだくじを選び終わり、順に千石がたどっていく。
最後まで終えると、千石と隣で見ていた亜久津がニヤニヤとしだす。

「な、なんだよ気味悪いな・・。」

福士の問いかけに千石は更に人の悪い笑みを浮かべる。

「皆の予想通りの結果だと思うよ。」




「不運な人間ってさ、ずっと不運なんだと思うよ。」

千石がしみじみと話す。
自分は運がいいからよくわかんないけどねー。などと最後に付けた
したあたり、真剣に心配する気はないようだ。

提出書類には綺麗な字で福士ミチルと書かれていた。

福士は机に突っ伏したまま嗚咽を漏らしていた。

「そいえば、うぬポスターはぬー?」

「ん?これ?」

そういうと深津は福士の突っ伏している横に置かれたポスターを
広げてロッカーの横にある壁スペースに貼り付けた。

そこには大きく禁煙と一言書かれていた。
それを見た瞬間、さっきまでしみじみと不運について語っていた
千石がええーー!!っと大きな声を出す。

「無理、無理!!あっくんからのもらいタバコは止められないって!!」

「オイ・・」

深津はニコニコとしたまま千石に向き直った。

「次に吸ってんのみたら・・ね。」

穏やかな口調のはずなのに有無を言わせぬ迫力があり、千石も亜久津
も吸っていたタバコを思わず消す。

「体にも悪いし、いい機会でしょ。じゃ、このプリント提出してくるね。」

そう言い残し、颯爽と深津は去っていった。

「俺って、運いいはずなんだけどな・・。」

深津が出て行った扉を見つめたままポツリとつぶやいた。
亜久津はしぶしぶ持っていたタバコの箱を握りつぶしてゴミ箱に捨てた。
その表情はやはり落ち込んでいるようだった。

福士は未だ突っ伏したまま。
平古場は皆の状態にオロオロとしていた。

「はは。ほんと面白いなあ。」

そんな異様な光景の広がる部室を眺めながら、穂波だけは相変わらず
楽しそうにしていたのだった。



ミチルさんはまた部長になっちゃいました。

タバコは亜久津さんより千石くんの方が依存していたと思います。
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