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適当に生きてます。
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| インテル逃走中** [PR]× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 第5話「本当にありがとうございます。」 俺たちは孤児院に招かれて食事を取っていた。 せめてものお礼だと引き止められたからだ。 子供たちは安心したのか、皆で固まって昼寝をしている。 「こんなものしか出せなくてごめんなさいね。」 「いえ、とてもおいしいです。」 先生の言葉に、俺は精一杯の笑顔を浮かべた。 今日は正直、笑うのがキツイ。 隣の妹は未だに暗い表情のままだ。 「あなた・・勇者さま、ですよね?」 俺は内心ビクリとするが、出来るだけ顔にださないように はい、とだけこたえた。 コリンズが心配そうな視線を向けてくるが気付かないふり をする。 「お願いします。どうかこの街に、この世界に再び平和を 取り戻してください。」 そういって先生は俺の手を両手で包み込んだ。 うざい、振りほどいてしまいたい。 たとえそう思ったとしても、俺は振りほどけないでいた。 「はい、必ず平和を取り戻します。」 自分で言って、心臓のあたりがぎゅっとなるのを感じた。 そんなやりとりをしていると、廊下からものすごい勢いで 走ってくる音が聞こえた。 ガチャッ。 扉のほうを向けば、息を荒らげた少女が立っていた。 腰まで伸びた黒髪は癖もなく、走ってきたはずなのに乱れ 一つなかった。 「セディ!!」 「よかった!!先生も、皆も無事だったのね!!」 セディと呼ばれた少女は、先生の前まで来ると抱きしめあった。 「セディ、この方たちが、勇者さまが助けてくださったのよ。」 勇者、という単語に反応したのか、セディが俺たちに 視線を向けた。 その目は驚きで見開かれていた。 「あなたが、勇者さまなのね」 俺はセディから目が離せないでいた。 一瞬、いつか夢でみた血でそまった少女が頭に浮かんだ。 なんだこれは。 「あなた、どこかで会ったことがあるのかしら?」 「いや・・今日が初めてだよ。」 あの少女の顔を無理やり頭の隅へ追いやる。 柄にもなく、緊張で手が汗ばんだ。 「・・そう。」 それだけ言うと、セディは先生の隣の椅子に腰掛けた。 俺は心の中でほっと息をついた。 「先生、街外れのミリーさんも、亡くなったそうよ。」 「・・そうなの。」 セディは怒りに震えて拳を強く握りしめた。 「私・・悔しい・・。助けることができなかった・・。」 彼女もか。 自分の冷めた部分が、彼女とは相反するだろうと冷静に 告げていた。 きっと彼女のほうが、勇者らしいんだろうな。 さっきまで暗い顔をしていた妹が、彼女の言葉を聴いて 更に悲しい表情を浮かべる。 隣のコリンズは特に感情を顔に出してはいなかった。 「セディ、勇者さまがきっと救ってくださるわ。」 先生が俺に優しい笑顔を向けた。 また、心臓が締め付けられた気がした。 「絶対、救ってみせます!!」 そうこたえたのは、真剣な表情を取り戻した妹だった。 俺もそれに、笑顔で頷く。 コリンズだけは、そんな俺を無言で見つめていた。 「・・私もいくわ」 小さいが、しっかりと芯のある声でセディが言った。 その言葉に、先生は心配そうな表情でセディを見つめた。 「先生、私どうしても自分の手で救いたいの。まってるだけ なんて、ごめんだわ。」 セディの言葉に諦めたように苦笑した。 そしてまたセディを抱きしめた。 本当の親子のように。 「絶対に、無事に帰ってくるのよ。」 俺はその光景を見ながら、小さくため息をついた。 セディのことは、どうしても好きになれそうにない。 いや、そもそも俺が好きだと思えるやつなんて限られて いる。 最後に誰かに抱きしめてもらったのは、いつだろう? PR COMMENTSCOMMENT FORM TRACKBACKSTRACKBACK URL | |