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| インテル逃走中** [PR]× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 第7話「父さん、遅いですね。」 俺が妹たちを連れてきてから暫くたつが、少年の父は 帰ってこない。 俺がここに戻ってくると、なぜだかコリンズと少年の間の 空気が最悪だった。 何があったのかは聞かなかったが、コリンズの諦めたよう な表情から夢のことについてでも話したことは見当がついた。 妹たちはそんな空気も気にならないのか、仲良く話しなが ら待っているが、男3人は何も話さずただ待っているだけ だったのでいい加減、開放されたい気分であった。 「僕がちょっと見てきましょうか?」 たまらず俺が申し出た。 すると少年は心配そうな表情を募らせた。 「・・そうですね、僕も行きます。」 なぜそこでお前もいくんだ、とは口に出さず仕方なく2人で 探しにいくことにした。 荷物はおいて、最低限の装備だけ整えてから外へ出た。 外は既に暗くなり始めていた。 よほど心配だったのか、少年はかなり早歩きで父が出かけた 方面へと進んだ。 正直、俺もかなり嫌な予感がしてきていた。 もうこれは長年の勘である。 暫く無言で進んでいると、暗闇の向こうにぼんやりと人の姿が あった。 それに気付いた少年が、あっと声を上げた。 「父さん!!」 そういってそこに向かって走りだす。 しかし次の瞬間、その人は少年へと飛び掛った。 手には短剣が握られている。 馬乗りになり、少年の首元を狙った。 「と、父さん!!どうして!!?・・ぅぐっ!!!」 相手の力のほうが上なのか、少しずつ刃先が迫ってきたが、 俺は寸前で後ろから相手を蹴りとばした。 やつは立ち上がると、今度は標的を俺に変えて突進してきた。 急いで天空の剣を構え、短剣を防いだ。 少年の父は短剣とは思えないほどの力で、天空の剣を押し 返そうとしてきた。 しかし、相手の力が一瞬緩んだのを見逃さず、冷静に短剣を はじいた。 その反動で、相手は短剣と共に、地面へと倒れた。 「・・やばいな」 少年の父はゼクセンで消えていった人と全く同じ目をしていた。 これは、この人を消すしかないかもしれない。 俺が一人覚悟をきめて、剣を強く握りなおしたその時、 少年が父の前まで駆け寄っていった。 「おい!!何して・・」 「父さん!!お願い!!目を覚ましてよ!!」 少年は泣きながら父の肩を揺すぶった。 しかし父は少年のことを全く認識していないのか、その手を掴 んで投げ飛ばした。 その隙に父は地面に落ちた短剣を拾い上げた。 そしてそのまま父は少年へ向かって短剣を突き刺した。 「とお・・さ・・」 少年の腹にはしっかりと短剣が突き刺さっていた。 それを見た瞬間、さっきまで空ろな目をしていた父が、はっと して短剣を抜いた。 その目はもう普通のものに戻っていた。 「ムーフレン・・?」 「よか・・た。いつ・・もの・・」 そういって少年は気を失った。 「・・ムーフレン?ムーフレン!!!」 「どけ!!」 ただ涙を流しながら少年を見つめる父を跳ね除け、少年を 抱きかかえる。 そしてすぐに回復呪文を唱えた。 幸い傷は致命傷には至ってなく、傷はすぐにふさがり顔色も よくなった。 「ただ気を失っているだけです。」 「ああ・・よかった・・。」 「・・何があったのか教えていただけますか?」 ただそう尋ねれば、父は無言で頷いた。 父は少年を抱き上げ、俺もそれについていき黙って家へと 向かった。 家につくと案の定、妹たちが何があったのか尋ねてきたが、 父がとりあえず待っているように告げ、少年をベッドへと寝 かせるため、寝室へと向かった。 俺たちが客間で待っていると、父がやってきた。 「・・何があったのですか?」 先ほどと同じように問いかければ、一層険しい表情で口を開いた。 「街を歩いていると、突如何かに襲われたんです。あれは・・ 堕天使とでも言えばいいのでしょうか?」 「「「堕天使!!」」」 その単語に、孤児院の彼女は不思議そうな表情を見せたが、 俺たち3人は連想されるものがあった。 羽がある人種なんて、思いつくものはひとつしかない・・。 「何か言ってましたか?」 「うーん・・よくは覚えてないんですが、・・ペンダントがどうとか 言っていたような気がします。」 ペンダント。 ゼクセンでも聞いた言葉に俺たちは顔を見合わせた。 これで少しずつ繋がってきた。 「だけど、その堕天使はいったいどこへ行ったのかしら?」 孤児院の彼女の疑問に、父はあっと声をあげる。 「あの、ペンダントで思い出したのですが、前に商売で回ってる 時にペンダントについての話を耳にしたことがあります。」 「どんなですか?」 「たしか、魔の王が封印されしペンダント、2大の王国に眠るって 話だったと思います。その話を聞いたのは・・テルパドールです。」 テルパドール。 沢山の謎が残る国だけに、信憑性はあった。 しかし、あの女王さんに会うのは個人的には気が引ける。 勇者としての思い出が色濃く残っているような気がして。 「他に情報もないし、テルパドールに向かいましょう。」 孤児院の彼女の言葉に、俺たちは頷いた。 そして父に礼をいい、とりあえず手配した宿へと戻ろうと したとき、気を失っていたはずの少年が客間へとやってきた。 「待ってください!!」 「ムーフレン!!まだ安静に・・」 慌てて父が少年を支えようとするが、少年はそれを手で制し、 大丈夫と告げた。 「僕も、いきます。」 まだ体力が戻りきっていないのか、息を乱しながらもしっかりと した声量であった。 「父を操ったやつが、許せない!!」 いつもの少年とは違う、鋭い視線を俺たちに向ける。 迷いのない瞳。 俺には出来ない信念を貫こうとするものの目だ。 「ムーフレン・・」 「お願いだ父さん、ただ黙って見ているなんてできない。」 父はしばらく考え込んでいたが、ふうっと一息つくと 俺たちに向き直り、深くお辞儀をした。 「・・ムーフレンをよろしくお願いします。」 妹は嬉しそうに少年と握手をする。 孤児院の彼女も、よろしく、といいニコリと笑う。 面倒なのが増えた。 俺は思わず舌打ちしそうなのを堪えた。 「面倒だって思ったでしょ?」 俺にだけ聞こえるように後ろで囁かれる。 振り向けばさっきまでの暗い表情はもうなく、いつもの 嫌味っぽいものに戻っていた。 「お前に言われたくない。」 「確かに」 俺はパーティーを見回し、はあっとため息をついた。 PR COMMENTSCOMMENT FORM TRACKBACKSTRACKBACK URL | |