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高校1年・・1

2008/03/28 (Fri) - ぼくらの青春時代


「ついに神奈川に来てしまった・・。」

千石が正門の前で立ち尽くしている。

ウザイ。

亜久津は無視して門をくぐった。

「おい。式でねぇのかよ?」

昨日、散々宍戸に式にでなさい。と言われた。
お前は母親か?と思ったが、宍戸は言ったってきかないやつだ。
仕方がない。ついて来なかっただけマシだ。
(最初は優紀と父兄参加すると言ってきかなかった。)

亜久津は自分が宍戸に弱いということを、嫌でも自覚してきた。

「へ?式?式ね。でるでる、でまっす。」

やっと門をくぐってきた千石はいまだ浮かれ気分だ。

まあ確かに、あの馬鹿の受験番号を合格掲示板で見つけたときは
俺だってびびった。

宍戸に頼んで正解だったな。
(宍戸のスパルタ授業は並大抵のものじゃなかった)

「あっくん早く!!」

急に走りだしそうだったので、千石の着ているパーカーのフードの
あたりを掴んだまま歩かせた。




「式かったりぃな。」

亜久津は欠伸をして、そう呟いた。

出てみたはいいが、ずっとお偉いサン方の話を聞いているだけ
なので、暇である。
周りも既に騒がしい。

「だめだよあっくん。ちゃんと聞いてないと宍戸センセ・・じゃなかった
亮くんに怒られちゃうよ。」

さも、宍戸が見張ってそうに千石が言う。

ばーか。とダルそうに返事を返した。

「ハハハッ。君ら面白いね。」

2人が声のした後ろを振り返った。

そこには、黒縁メガネをした茶色いくせっ毛で短髪の男がいた。
穏やかそうな雰囲気をもつ男だ。

「誰だテメェ。」

亜久津はドスの利いた声でいい、思いっきり睨んでやった。

そんな亜久津をみて千石は、実は亜久津はただの人見知りなんじゃ
ないかと、どうでもいいことを考えていた。

「まぁまぁ。俺は穂波芳輝(ほなみよしき)っていうんだ。よろしく。」

南とも違う爽やかな笑顔で亜久津に手を差し出した。
それを亜久津はパシッと叩いた。

それでも穂波は穏やかなままだ。

「オレ、千石清純。よろしくね、穂波くん。」

亜久津の横から手を差し出す。
穂波は笑顔で握り返した。

「あ、このムスっとして可愛げがないのは、亜久津仁っていうの。
あっくんって呼んであげてね。」

「あっくんね。わかった。」

オイっ!!と亜久津が怒鳴るが、2人はニコニコとしているだけだ。
しかも仲良く話しはじめている。

亜久津はとりあえず不貞寝をすることにした。



式が終わり、3人は下駄箱の方面へ歩いていた。

「ねぇあっくん。オレらってさ、伴爺が言ってた先生に会わないと
いけないんだよね?」

「そうなんじゃねぇ?」

2人の会話に穂波が首を傾げる。

「誰かに会わないといけないの?」

「あのね、オレらがココの高校来たのには訳があってさ。なんだか
テニス部を新設したいとかいう先生がいてさ、確か名前が・・」

「深津良治。」

「そうそう、深津・・って」

3人が同時に振り返る。
そこには、ニッコリ顔の若い男が立っていた。

黒髪でくせっ毛、長さは千石と同じくらいで、身長は宍戸と同じぐらい
の男だ。

「どうも始めまして。千石くん、亜久津くん、穂波くん。」

「始めまして。」

穂波は深津と握手をした。
しかし、千石と亜久津は未だ固まったままだ。

そんな2人に深津は、ニッコリしたまま顔を近づける。

「伴爺から聞いてるよ。来てくれてありがとう。」

千石はただ、ブンブンと頷いた。

なんだかわからないが、威圧感のある先生なのだ。

深津は千石から亜久津の方に視線を移す。
亜久津は一歩後退った。

「君が亜久津くんか。ふ~ん・・なかなか良い体格だねぇ・・。」

さっきのニッコリ顔から、気味の悪い笑みに変わる。

亜久津と千石は全身に鳥肌が立ち、顔を引き攣らせた。

それを何事もなく見つめているのは穂波だけだ。

「ハハハッ。なんだか3年間楽しくなりそうだな。」

穂波の笑い声は、穏やかだった。





オリジナルな方を2人も出してしまった・・。

深津さんはただ変態なだけです。

亜久津がどんどん違う人になっていくな。
そして亮ちゃんは究極のお節介さんだ。

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